ソーラー発電の仕組みについて

ソーラー発電の仕組みについて見ていく前に、まずなぜあの屋根に載せたモジュールが発電するのかという点に注目してみましょう。
太陽電池モジュールには色んな種類がありますが、一般的には多結晶・単結晶型と言われるシリコン系半導体の性質を持ったものが採用されています。この物質は、太陽の光があたると分子がプラスとマイナスに分かれる性質を持っていて、朝日があたると同時に電池に変わる訳です。そして一日中晴れていれば、日が沈むまで電池として発電します。光さえあればいつでも電池として機能してくれるというのがソーラー発電というわけです。

ただし電池モジュールで発電された電気は直流の電気で、電力会社が供給している交流の電気ではありません。そのためソーラー発電では、直流の電気を交流に変換す必要があるのです。その役割を果たしているのがパワーコンディショナーで、通称「パワコン」などと呼ばれています。通常は電池モジュールで生まれた直流の電気は、複数の直流配線で接続箱に集約され、一本の配線でパワーコンディショナーに送られてきます。そして交流電気に変換されたあと、分電盤に運ばれて家庭内で使われているわけですね。

なおソーラー発電システムは「系統連結方式」という仕組みをとっていて、電力会社の配電線と連結しています。これによって、太陽電池モジュールで発電された電気が家庭内で消費する電気量を上回った時は、その余剰分を電力会社に自動的に売る仕組みになっています。反対に、天候が曇天や雨、雪などで家庭内で消費するだけの電気が発電されないと、こちらも自動的に電力会社側の電気を使うようになっているのです。

これがソーラー発電の売電・買電というもので、特別に操作して切り換えているのではなく、自動切り換えになっているのですね。そしていくら売たかの電気の収支を管理してくれているのが売電メーターという機械です。そう考えるとこの売電メーターがとても大事な機械だということが分かると思います。

ソーラー発電の発電量はどれくらい?

ソーラー発電の発電量については、地域、屋根の角度、方位、隣地・周辺の建物の影響など様々な要件で変わってくることもあり、ユーザーが誤った解釈をしてしまうのを避けるためなのか、明快な発電量に関する情報を調べるのに結構手間がかかります。

地域で開催されるメーカーや電力会社主催の太陽光発電のセミナーなどに出席すると、その地域ごとの太陽光発電の過去データを知ることができますので、機会があれば参加してみると良いと思います。

ちなみに4kw程度のソーラー発電システムを搭載した場合の年間予測発電量は、4500kwh~5400kwhといったところです。これを電気料金に置き換えると、固定買取制度で売電単価を48円/kwhでみた場合、おおよそ17万円~20万円前後の換算電気料金になってくるようです。ただし、自家消費量と売電量の比率やそれぞれの電気の単価などが絡んでくるので状況によって数値が変わってきますので、大まかな目安として見ていただくと良いと思います。

少し話が横道に逸れますが、システムの容量という点で言えば、数年前はソーラー発電システムの容量は3kwというのが一般的でした。しかしある程度売電をして電気料金を抑えていくということを考えるなら、4kw程度のシステムでなければという流れに変わってきています。全国の平均システム容量が3.59kwということで、地域要件や住宅の規模にもよりますが、少なくとも平均で3kwを超えているのだということは頭に入れておいた方が良いでしょう。

最近では太陽光発電の建売住宅も見かけることが多くなりましたが、コストダウンのため3kw程度のシステムに抑えられている物件も見かけます。こうした物件の購入を検討する際は、どの程度の発電量を見込んだシステムなのかをかならず確認してほしいと思います。

話を発電量に戻しますと、温暖な地域と比べて寒冷地は、ソーラー発電に向かないのではと考えがちですが、データ実績で太平洋に面して雪が少ない帯広あたりと四国の高松市とが、ほぼ同等の発電量となっていることからも、温暖か寒冷地かで向き・不向きは決められません。太陽電池は高温時に発電量が落ちる特性があり、年間でみても5月がいちばん発電するのです。そのような理由からソーラー発電システムは、寒冷地であっても有効な設備なのですね。

また雪という条件を考えても、モジュール上は滑って落雪しやすくなっているので、ずっとモジュール上に積雪し続けるわけではありません。降雪期間の曇天は発電量に影響しますが、積雪自体はさほど影響しないと考えて良いようです。

それに年間ベースで、いかに冬期間以外の時期に効率的に発電や売電ができるかが、多雪地域での太陽光発電運用のカギとなるわけです。多雪地域では、売電単価の高いオール電化と組み合わせることで、低ランニングコスト住宅を計画する方が多いのですが、オール電化が普及したことで、ソーラー発電が不向きと特定出来る地域がどんどん少なくなってきているのが現状です。

ソーラー発電の発電効率について

ソーラー発電の発電効率は地域与件・温度与件などによるものと、電池モジュールやパワーコンディショナーなどの機材の種類によるものとに分かれます。

まず地域与件や温度与件という点でみると、いわゆる裏日本と言われる日本海側より日照時間や晴天日が多い太平洋側の地域ほど発電量が高い実績があり、発電効率としても良い地域と言えるでしょう。

もちろんこれは日本海側がソーラー発電に不向きだと言うことを意味するということではありません。平均日照時間が短い地域でもできるだけ陽当たりを考慮して建築計画を組むことや、売電の単価の高いオール電化と併用するなどの工夫によって、ランニングコストを軽減することが可能となります。あくまでも大まかな比較として考えていただければ良いでしょう。

なお太陽電池モジュールは、高温時は発電効率が下がりますので、気温の高い日が長く続く環境より、比較的夏場が涼しく過ごせるということが発電量を高めてくれる要素となります。こうした特性がありますので北東北のある地域が中国・四国地方のある地域と発電量でほぼ同等ということがおきるのです。この点は注目していただくと良いと思います。

電池モジュールの種類やパワーコンディショナーの変換効率ですが、電池モジュールに関しては、同じ太陽エネルギーを受けた場合にどれだけ多くの直流電気に変換出来るかということがその発電量を決めていきますし、パワーコンディショナーから見ると、電池モジュールで発電された直流電気を無駄なく交流電気に変換できる機材ほど、家庭内で使える交流電気をたくさん生み出すシステムということになります。ですから、発電量の高い特性をもつ電池モジュールと、変換効率の高いパワコンが揃ったソーラー発電システムが最強の組み合わせということですね。

コストを無視して構わなければ、HIT太陽電池は、発電量も高く温度環境に左右されにくい性質がある素晴らしい太陽電池です。HIT太陽電池は単結晶型シリコンとアモルファスシリコン薄膜を組み合わせたような構造を持ちますが、発電量の高さを単結晶型シリコンが、温度の影響を受けにくい特性をアモルファスシリコンがカバーしている組み合わせだと言えます。

なお、HIT太陽電池の発電部分につかわれている単結晶型シリコンは古くから存在している太陽電池ですが、製造時のエネルギーやコストが高いため、ソーラー発電の普及の流れのなかで主流の電池モジュールにはなれませんでした。そして単結晶型シリコンに比べて発電量が落ちますが、コストが低いため、現時点でソーラー発電の電池モジュールの主流となっているのが多結晶型シリコンです。

こうして見ると電池モジュールの発電効率は、製造コストと比例しているところがあるわけですね。

パワーコンディショナーの変換効率については、メーカーごとのシステムの比較のなかで触れていきたいと思います。

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