売電の仕組みについて

ソーラー発電システムを導入しても、それだけでは余剰電力を売電することはできません。売電を行えるようになるには、系統連係という電力の受給契約を発電システム導入者と電力会社との間に締結している必要があり、系統連係の申請後受理されるまでに約2ヶ月ほどかかるため、早めに手続きを進めておかなければいけません。

売電の仕組みは、太陽電池モジュールで発電された電気が家庭内で消費する電気量を上回った時に、電力会社に自動的に売るることができるだけでなく、発電量が少ないときや夜間でシステムが発電しないときには電力会社の電気を自動的に買うことができるという点も含まれています。

発電システムには蓄電機能がありませんので、どれほど大きなシステムを組んでも電力会社の電気も購入できるようにしておく必要があります。そのための取り決めが系統連係の申請であり電力受給契約なのです。

この手続きは通常電気工事業者が代行してくれるようになっています。手続き代行費用として、2万円ほどかかりますので覚えておきましょう。

なお、売電を行なうための設備として電力量計の設置があります。電力量計は2種類あり、ひとつが電力会社が供給する電力を測定する買電電力計、そして太陽光発電からの余剰電力を測定するための逆潮流電力計です。どちらもソーラー発電システムの導入者が費用を負担して設置するもので、10年で取り替えることが義務付けになっています。

ソーラー発電のなかでも魅力的な売電制度ですが、その利用にあたっては色々必要な手続きや準備があるわけです。

なお、余談ですがグリーンエネルギー証書の発行を希望されている方は、自家消費電力量を測定する総発電電力量計というメーター(総発電量から売電電力量を引いた自家消費電力量を測定する)を設置する必要があります。グリーンエネルギー証書に関心がある方は一応覚えておきましょう。

売電価格について

ソーラー発電の従来の売電単価は24円でした。この売電価格はごく普通の従量電灯契約でのもので、オール電化住宅などにされている方だと、時間帯別電灯契約になっていることから、夜間より割高となる昼間の買電単価28円~33円程度で売電ができ、ソーラー発電とオール電化の併用のメリットとして注目されていました。

ところがこれを上回るお得な制度が、2009年の11月からスタートしたのです。それが固定価格買取制度です。

固定価格買取制度では、初年度の売電価格が何とこれまでの倍の48円です。この売電価格は新年度のソーラー発電を導入した家庭だけでなく、すでにソーラー発電システムを導入済の家庭にも適用されます。そして年度を重ねるごとに売電単価は下がって行きますので、できるなら早いうにシステムの導入を実施したほうが制度の恩恵を多く得られることになるのです。

固定買取制度は10年間実施される予定となっていますが、ソーラー発電の導入コストが現在の半額程度にまで下がった場合は、制度実施期間中であっても終了するとも言われています。はたしてソーラー発電システムが、現在の半額程度まで下がるかどうかは大いに疑問ですが、国としても諸般の事情から、グリーンエネルギーの利用を急ピッチで広げていきたいという強い思惑があることは確実で、本制度も幾分前倒し気味に実施されています。
固定価格買取制度の実施の影で、じつはソーラー発電を利用していない標準家庭の電気代が100円程度の値上げとなっている点も覚えておかなければなりません。つまり国をあげてというより、国民全体の協力のもとに、この制度が成り立っていると言うことです。

太陽光発電に興味を持っていた方は、そろそろ本腰を入れて検討してみてはいかがでしょうか。

「売電」で儲けることは可能か?

ソーラー発電は売電ができることで、「売った分が儲かる?」と考えてしまうと思います。

売電分が丸々利益になるということはないにしても、いくらかの収益が出ることは間違いありません。ただしそれがいくらになるのかは、ケースバイケースです。○○kwの電池モジュールを載せているので、毎月最低これだけの儲けが見込めるという計算はできますが、天候に左右される場合もありますし、生活パターンが変化することも長い目でみれば考えられますよね。

ただ、余裕のあるシステムを搭載していれば、買電と売電の差が0円となることはそれほど難しいことではありませんし、現在の固定買取制度による売電単価なら、買いと売りが逆転する(つまり儲けが出る)可能性は十分考えられます。少なくとも、正しいシミュレーションデータの基に計画されたものなら、ソーラー発電を導入して損することはあり得ないと言って良いと思います。

また、ソーラー発電と「儲け」を考えるときに、少し混乱してしまうのが、どの数字をもとに儲けと考えれば良いかということがあると思います。

ソーラー発電でどの程度儲けが出せるかを考える場合、どの数字を使うかで変わってきますが、選択する数字には、

1)自家消費した分も含めて、ソーラー発電システムで発電した電力の全てをベースに考える
2)ソーラー発電で発電した電力の全てから自家消費分を除いた分=純粋な売電分をベースに考える
3)2)から買電分を差し引いた数字、つまり買電と売電の差をベースに考える

の3つのパターンが考えられます。1)の場合だと、あらゆる経費が取り込まれていない、純粋な発電システムの能力をベースにした数字、2)だと、導入コストと買電分が考えられていない数字です。3)は純粋な儲けに近いと思うかも知れませんが、まだ導入コスト分が差し引かれていません。
ソーラー発電の発電量から、自家消費電力と電力会社から購入した電力を差し引いて、さらにソーラー発電導入分の住宅ローン返済金額を差し引いた場合、つまり、買電と売電の差額と、ソーラー発電導入に要したローン返済額を年間ベースで比較すると(ローン返済金利が3.0%程度で見た場合)、返済期間にも依りますが、まだややマイナスになると考えられます。

ただし売電単価を現在の固定買取制度のレベルで計算できれば、プラスに転じるパターンも出てくるでしょう。
またあらゆる経費を勘案しても、プラスに転じる計画をと言うなら、利用する住宅ローンをできるだけ金利の低いものを選ぶようにしていただきたいと思います。

現時点で金利のいちばん安い住宅ローンというと、ソニー銀行のものや、住宅金融支援機構の財形住宅融資などが思い浮かびます。

ソーラー発電の導入コストに対して、買電と売電の差額がどのぐらいの利回りでまわるかを計算し、その利回りより低い金利の住宅ローンを選択すると、間違いなく儲けが出る計算になります。

キャッシュで導入資金を用意できる方だと、ソーラー発電の利回りが、預け入れ金融機関の定期預金の金利を上回れば良いわけで、こちらだと間違いなくソーラー発電の利回りのほうが高くなるはずです

話がいくぶん飛躍しましたが、「儲け」を意識される場合は、導入資金を調達する際の金利についてもシビアに見ると良いでしょう。日銀の低金利政策は継続されています。こうした環境もソーラー発電の導入にとっては追い風となっているのですね。

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